始まりは終わりの始まりで、終は次の始まりの始まり。
ま~中二じみた言葉だけど間違いはない。何事も生まれた瞬間から死に向かっているのだから。
人が始まるには十月十日の準備が必要だが、人が終わるにはホンの一瞬でいい。
なんでもそうだけど、始まりばかりに力を注ぎ、終わりのことは誰も考えてなんかないんだ。
準備万端、さあこれで大丈夫ドンとこい、そう思っていざ始まればイレギュラーの連続で、立て続けに起こる想定外を乗り越えるために脳が発達してゆく。そうして人は成長していく。
……ずっと成長していたつもりだったんだ。
だけど、日に日に顔は弛み、声は低くなり、代謝は衰え、あちこちが痛み出し、病気が突発的に起きない代わりにじんわり広がり治りが遅く、気持ちだけ・記憶だけはあの日のままフレッシュなつもりで実際の自分との符合が全く取れていないことに気づいたんだ。
否、実際の自分と理想との乖離はこんなもんじゃない。
自分が本当にしたいことは何か。
挫折したら何を目指すべきか。
本当に好きなものは何か。欲しいものは何か。
常に考えておくといい。
大きな挫折をしてから次の夢を探すのは大変だ。自分が何をしたいのか全然見えなくなる。
夢がないのは好き嫌いの多い人生と同じで、半分損してる。
なんでもいい。せめて自分が本当に好きで本当に欲しいものは何か、だけでも常に考えるべきだろう。少なくともいい大人になってからは、考える余裕もないかもしれない。
特に趣味もなく毎晩飲んだくれて無駄に眠り無駄に生きるなら、とことん不健康かつ中毒性の高い毎日を過ごして太く短く生きる方がいいと思う。好きなものにまみれて我満足!のうちに高脂血症とか動脈硬化でぽくっと…ああ、それも悪くない。
でもそこに何らかの夢があるなら。心は少しだけワクワクできる。それもまた幸せなことじゃないか。
希望を抱けばネガティブな否定の言葉に打ち砕かれ、思うことを話せばそれは違うと覆され、前向きさを見せれば絶望的未来の想像を聞かされる毎日だけど、いつか面白い日々が来ると思う。
いつかは一生来ない時間だけど、いつか。
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